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2009年5月26日 (火)

GoogleChrome(Chromium) をポータブルで

GoogleChrome の安定版も ver.2 に入って結構使いやすくなってきたこのごろ。

USBメモリなどで持ち運びできるように PortableGoogleChromeIron には名前の通りポータブルだったりポータブル版があるものの若干不便。
そのままだと起動オプションが効かず UserScript 等が使えない(気がする) PortableGoogleChrome 2.0.172.8 / IronPortable 2.0.180.0(15300) 。
じきにその辺りの事も解決すると期待しつつ、何をどうしたか忘れる前に、ここいらへんで普段使い用とポータブルな持ち歩き用 Chrome メモ。
正式な使い方ではないので不具合上等の精神で。

【2009/09/03:補足】
IronPortable に関しては起動オプション追加可能だったのでこの記事末尾辺りに補足説明を追加

方針

  • 安定版である通常の GoogleChrome でなく、開発版の Chromium を GoogleChrome として利用
  • UserScript を使う (普段使い/持ち歩き)
  • ホームページ指定をどこかのwebサイトではなくてリンク集なhtmlファイルを使う (普段使い/持ち歩き)
  • プロファイルディレクトリを指定する (普段使い/持ち歩き)
  • ディスクキャッシュディレクトリをRAMディスク (z:) 上に指定する (普段使い)
  • プロキシを指定する (普段使い)
  • 最小文字サイズを指定する (普段使い/持ち歩き)
    ソース表示の時にこの文字サイズがデフォルトとして効いてくる

リストした機能の起動オプションは次

起動オプション 用途 備考/設定例
--enable-user-scripts UserScript を有効に -
--user-data-dir プロファイルの保存場所 無ければプロファイルごと新規生成される
例)
--user-data-dir=../Profil
--user-data-dir=d:/settings/chromeProfil
--disk-cache-dir ディスクキャッシュの場所 指定した場所が無ければ生成される
例)
--user-data-dir=../Cache
--user-data-dir=z:\ChromeCache
--proxy-server プロキシサーバー 例)
--proxy-server=localhost:8080
--proxy-server=192.168.0.1:8118
--homepage ホームページ指定 例)
--homepage=.\start.htm
--homepage=d:/settings/start.html

※ Chromium 3.0.182.1 (Developer Build 16871) パス区切りは / でも \ でも効く模様


Chromium を普段使いの GoogleChrome として

インストーラの exe を実行せずに適当に Chromium を配置して利用。

  1. Chromium
  2. zip を解凍すると chrome-win32 が現れるので chrome に名前を変えて次のように配置
         
    c:\apps\GoogleChrome    
    chrome Chromium の chrome-win32 をリネーム
    Profil 作成しなくても良い
    start.htm                 ホームページに使うためのリンク集html
               
  3. 起動用のショートカットを作成して一度 Chromium を実行する
    c:\apps\GoogleChrome\chrome\chrome.exe を右ドラッグ&ドロップでショートカットを作成して変更
    • 「リンク先」に起動オプションを追加、以下を全部詰め込む
      『 c:\apps\GoogleChrome\chrome\chrome.exe --enable-user-scripts --user-data-dir=../Profil --disk-cache-dir=z:/ChromeCache --proxy-server=192.168.0.1:8118 --homepage=../start.htm 』
      コピペ用
    • 「作業フォルダ」はいじらずそのまま
      『 c:\apps\GoogleChrome\chrome 』
    ここで作成したショートカットから一度起動したら何もせずにそのまま閉じる
  4. Profil に幾つかのファイルが&フォルダが生成されるので設定変更など (関係しそうなファイル&フォルダを抜粋)
           
    c:\apps\GoogleChrome      
    chrome  
    Profil  
    Default  
    User Scripts     UserScript 置き場
    Preferences Chrome の設定ファイルその1
    Local State Chrome の設定ファイルその2
    start.htm ホームページ用の リンク集htmlファイル
               
    1. 利用する UserScript を 「User Scripts 」フォルダにコピー
    2. 最小文字サイズを指定するために Preferences を編集
      "webkit" を含む行を探して無ければ次のように追加
      編集前
      (略)
         },
         "session": {
            "urls_to_restore_on_startup": [  ]
         }
      (略)
      編集後
      (略)
         },
         "webkit": {
            "webprefs": {
               "minimum_font_size": 11
            }
         },
         "session": {
            "urls_to_restore_on_startup": [  ]
         }
      (略)
      利用、設定状況によって内容が変化するので "webkit" のセクションがあれば "webkit" の "webprefs" に minimum_font_size を適当なサイズで追加するという方針。
      指定するセクションでの最終or単独項目でなければ 『 "minimum_font_size": 11, 』のように行末のカンマを付けるのを忘れないように。
    3. 【2009/05/28:追記】
      以下の暫定対応は Chromium 3.0.183.0 build 17000 以降では解決済みなので設定の参考として
      【暫定対応】
      Chromium Build 16871 の現時点ではメニューなどの表示の言語設定が 『英語(アメリカ合衆国)』 以外を選択するとメニューやダイアログの文字が小さくなってしまうバグがあるので、表示言語を『日本語』から 『英語(アメリカ合衆国)』に変更してやる
      通常のダイアログで選択できなければ 「 Profil\Local State 」を次のように編集
      編集前
      (略)
         },
         "shutdown": {
            "num_processes": 1,
            "num_processes_slow": 0,
            "type": 1
         },
      (略)
      編集後
      (略)
         },
         "intl": {
            "app_locale": "en-US"
         },
         "shutdown": {
            "num_processes": 1,
            "num_processes_slow": 0,
            "type": 1
         },
      (略)
      設定状況、利用状況でファイルの内容は変化するのでそこは臨機応変に。

以上、動作に問題がなければ普段使い用の Chromium 導入は完了。

 

Chromium を持ち運び用途の GoogleChrome として

ここでは、普段使い Chromium を直にUSBメモリにコピーせず、いったん HDD に持ち運び用の元を作成するという方針で。
(USBメモリは落っことしたり忘れたりで、データの入ったまま紛失するもの・・・、他人に見られても良い状態を作っておく)

  1. 前述の普段使い用の Chromium がある c:\app\GoogleChrome を適当な作業場所にコピー
    ここでは d:\Portable にコピーして d:\Portable\GoogleChrome という配置にする
  2. d:\Portable\GoogleChrome\chrome\chrome.exe へのショートカットを d:\Portable\GoogleChrome に作成
  3. 一つ上で作成したショートカットをポータブル用に編集
    • 「リンク先」を起動オプションを追加しつつ変更
      変更前
      『 d:\Portable\GoogleChrome\chrome\chrome.exe 』
      変更後
      『 %windir%\system32\rundll32.exe shell32.dll,ShellExec_RunDLL .\chrome\chrome.exe --enable-user-scripts --user-data-dir=.\Profil --homepage=.\start.htm 』
      コピペ用
    • 「作業フォルダ」を ”空欄” にする
    ショートカットのアイコンが「何か」に変わるはず
  4. 作成したショートカットで起動確認
  5. 持ち運び用の元にする為に必要に応じて履歴やキャッシュをクリアしたりブックマークを編集したり、あるいはそのまま何も変更しなかったり
    • Profil\Default の中に User Scripts 、Bookmark 、Preferences だけを残して他を全て削除するというような割り切りもありかも
  6. USBメモリなどに d:\Portable\GoogleChrome をコピーして持ち出し、ポータブル版として利用
    Chromium の起動は作成したポータブル用のショートカットを使う

以上、普段使い用と持ち運び用の基本的な違いはパス(配置場所)が異なっても良いように、相対パスで実行するショートカットに差し替えただけ。

ここで作成した持ち運び用のショートカットのコピーやショートカットのショートカット(分かりにくいな・・・)を作成してもそのままではうまく動作しないので、起動用バッチファイルを作成してバッチファイルのショートカットを利用した方が使い勝手は良いかも。

ChromiumKick.cmd

このようなバッチファイルを d:\Portable\GoogleChrome に保存

 

普段使い用の Chromium 更新用バッチファイル

ダウンロードして解凍してコピーして更新する、が面倒なのでルーティンワークをバッチファイルで。

7-Zip と wget が使える状態が前提条件。
Chromium更新.cmd

  1. LATEST と 前回更新時のバージョンを比較
  2. 新しいものが見つかればダウンロード
  3. Chrome が起動していれば有無を言わさず強制終了
  4. 古いフォルダごと消して新しいものを展開

というかなり乱暴な更新なので利用には注意と割り切りが必要。
セッションの復元機能は偉大なり。

そこはかとなくポータブル

IronPortable 、安定版 GoogleChrome などでも同様の使い方が可能。

  1. IronPortable
    1. http://www.srware.net/en/software_srware_iron_download.php
      からダウンロードして解凍
    2. 広告ブロックの設定ファイル iron\adblock.ini をひたすら編集するか
      http://www.srware.net/downloads/adblock.ini
      をダウンロードして必要に応じて adblock.ini を編集
    3. 以降は Chromium 利用と同じ
  2. GoogleChrome (安定版やベータ版などのリリース版)
    1. http://googlechromereleases.blogspot.com/
      にてリリースされているバージョンを把握する
    2. http://dl.google.com/chrome/install/xxx.yy/chrome_installer.exe
      という規則の URL からダウンロード可能なので数字を合わせてダウンロード
      例えば 2.0.172.28 なら
      http://dl.google.com/chrome/install/172.28/chrome_installer.exe
    3. 7-Zip など chrome_installer.exe を解凍できるアーカイバで解凍していくと chrome.7z(それっぽいサイズのファイルを解凍すると現れる) が現れるのでさらに解凍
    4. リリース番号のフォルダにひとまとめに放り込んで、適当な名前にリネーム
    5. 以降は Chromium 利用と同じ

「 --user-data-dir 」となるフォルダは使い回し可能なので、矛盾しないよう適当に配置、指定すれば Chromium 、Iron 、GoogleChrome でひとつの「 Profil 」を利用することも、別々にすることも可能(2009/05/26現在)。

IronPortable での起動オプション:2009/09/03追記

iron.exe へのショートカットに起動オプションを追加する方法ではない技があったので補足。
IronPortable.exe と同じフォルダに IronPortable.ini というファイルを作成してそこに起動オプションを記述する。

上のような感じで一行で記述。
ファイルなどの指定は、絶対パス、相対パス、どちらでも効いて相対パスの取り方は IronPortable.exe のある場所を基準。パス区切りは \ でも / でも良いらしい(3.0.197.0 build22047)
iron.exe へのショートカットに起動オプションを詰め込むよりは IronPortable.ini に記述する方が個人的には楽。



雑感

Chromium の 2009/05/26 現在 でも起きている、日本語表示指定で妙に小さくなる、というバグも鬱陶しいものの、相対パスの基準の取り方が変わったバグ(仕様?)も罠っぽかった。

追記

2009/06/05
  • ChromiumKick.cmd  を差し替え
    横でなく縦で確認できるように変更
  • Chromium更新.cmd を差し替え
    2世代バックアップを取るように変更
  • 2009/09/03
  • ironPortable  の IronPortable.ini に関して補足説明追加
  • Chromium更新.cmd を差し替え
    7-Zip の.9.05 alpha 以降 .exe の解凍で挙動が変わったので差し替え(9.05alpha, 9.06beta, 9.07beta で動作確認)
    このバッチファイルは、4.65 など 9.04beta 以前では exe の解凍展開をさせると期待する動作はしない
  • 7-Zip の exe の解凍の挙動変化に伴い若干説明変更
  •  

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